アウトプット記録

生物学×化学×ITな人材を目指して

【日常】2020年を振り返って

みなさまこんにちは。

生物学×化学×ITで勉強中のメーカー研究員toryzaeです。

 

2020年もいよいよ終わりということで、今年を振り返っていきます。

ほとんどコロナの年でしたが…。それでも、個人的には大きく成長できた年だったかな、と振り返っています。

あまり覚えていなかったので、Googleカレンダーと、Amazonの購入履歴から、何をやったか思い出しながら書いていきます。

 

 

【1月】

・プログラミング、データサイエンスを真面目に勉強しようと決意。統計学の本、プログラミングの本を買い始める。

・記録を残す目的で、ブログを始める。

 

 

【2月】

統計学機械学習の本をひたすら読み漁る、勉強する

・モニターとキーボードを買い、ノートパソコン環境から疑似デスクトップ環境へ(このとき買っておいたおかげで、在宅勤務移行もスムーズに)

 

 

【3月】

・本での勉強効率を上げるためにブックスタンドを買う(オススメです!)

www.amazon.co.jp

・3月最終週に、4月から在宅勤務になることを言い渡される。

・最終出社日に、2019年度で一番良い実験結果が出る → 2020年度の仕事がだいぶスムーズに進められた。

 

 

【4月】

・突然の在宅勤務&組織再編による部署異動で、忙しい日々。部署の立ち上げの大変さを痛感する。

・ゲーミングチェアの購入 → 腰痛緩和

・自己研鑽が文章の書き方に移る

・ブログの更新が途絶える。

 

 

【5月】

・在宅勤務継続 → 途中から少し出社。運動不足を痛感する。

 

 

【6月】

・出社解禁。組織再編の影響によるバタバタで3か月ほど忙殺される。

・この頃から自己研鑽が進まなくなる。仕事でへとへと。

 

 

【7月】

・仕事で忙しい日々が続く。2ヶ月の遅れは大きい。

・9月に引っ越すことが決まる。

 

 

【8月】

・引っ越しの準備。前回はバタバタだったが、今回は1ヶ月以上猶予があったので、のんびりと進められた。

 

 

【9月】

・引っ越し。駅から近くなったぞ!

・仕事の繫忙期再び。11月まで忙殺される。

 

 

【10月】

・今年度、最も働いた月。残業時間も最長を更新。

・締切が厳しい中、実験がうまくいかず、心がだいぶ疲弊した気がする。

 

 

【11月】

・繁忙期終了。締切にも間に合い、一安心。

・落ち着いてきたので、キャリアについて改めて塾講。Ph. Dの取得を目指すとともに、データサイエンスも真面目に取り組む決意をする。

・プログラミングを再開。UdemyのPython講座(30時間越え、英語)でPythonの基礎を学ぶ。

・ブログ再開。

 

 

【12月】

ルーターを新しくする。家のネット環境をIPv4からIPv4+IPv6へ変える。

→ 夜間帯は2 Mbps程度しか出ていなかったが、300 Mbps程度は安定して出るようになる。(そのうちブログの記事にしようかな)

・ウルトラワイドモニターを購入する。

・Udemyのgit講座で、git、githubの使い方を学ぶ

 

 

コロナコロナしていた年でしたが、在宅勤務の環境を整えつつ、プログラミング環境を作ったり、仕事の方も順調に進んでいたりと、割と満足のいく1年でした。家にいる時間が長くなったためか、自分の人生やキャリアについても真面目に考えさせられる1年にもなりました。

自分の人生は自分でしか決められない。人生における優先度を意識しつつ、今できることを精いっぱいやり遂げたいと思います。2021年も忙しくなりそうですが、頑張るぞー!

 

 

【書評】Rによるやさしい統計学

みなさまこんにちは。

生物学×化学×ITで勉強中のメーカー研究員toryzaeです。

 

長らく更新できませんでした…。

仕事の繫忙期が過ぎ、少し余裕が出てきたため、またブログ活動を再開します。

 

 

ブログの更新は出来ていなかったのですが、自己研鑽は少しずつ行っていました。そのため、書評として書けるネタも多少ストックがあります。少しずつ、書評を書きつつ、活動を再開していきます。

 

 

本日は、機械学習の基礎である統計学の本に、また戻ります。

 

 

目次

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本の紹介

 

Rによるやさしい統計学

shop.ohmsha.co.jp

 

前回同様、かめさんのブログにて紹介されていた本になります。

プログラミング言語の一種である”R"を用いて、文系の大学生でも分かるように、統計学を学ぶ本になります。大学で統計学の基礎を習っていれば、そこまでつまずくことなく、理解できるのでは、と思いました。私自身、数学が大の苦手であり、統計学の授業も基礎レベルしか受講したことが無いレベルでしたが、理解しやすかったです。この本で統計学の基礎を理解し、次のステップへと移行するのがオススメです。

 

私は学生時代にRを少しだけ触ったことがあったため(授業レベルですが)、Rを使うことに抵抗はありませんでした。しかし、今後、機械学習Pythonで実装していくことを考えると、Pythonでやれることはやっておいた方が良いと考え、あえてRでは演習を行わず、Pythonですべて実行してみました。

当然、Pythonのコード例などは無いため、自分でゼロから調べて、コードを組み立てるのはそれなりに大変でした。scipyのstatsモジュールの使い方、matplotlibでの散布図の描き方など、ほとんど実装したことはありませんでしたが、たくさんググりながらコードを書き、エラーを吐き出す、を繰り返すことで、自分の中での理解が深まりました。オススメです!

 

 

(その後、Python統計学を学べる本があることを知りました。こちらは、いずれ読んでみたいと思って、欲しいものリストに入れてあります)

gihyo.jp

 

紙 or 電子書籍

 

本について、昔は紙の書籍じゃないとダメな派でしたが、最近はKindleで買える本は全てKindleで買うようにしています。特に、こういった学術書は見返すことが多いので、検索機能がある電子版が振り返りにちょうど良いです。また、KindleであればPC、スマホタブレットなど、どこからでもアクセスが可能ですし、重要なテキストをハイライトして、あとからハイライト部のみをサッと見返すなど、短時間で振り返りを簡単に行うことが出来ます。昔に比べて情報量が多い社会ですので、沢山のことを覚えることに労力を割くよりも、「そういえばあの本にこんなこと書いてあったな」と思う程度の労力で十分だと思います。期末テストでは無いので、わからないことはその場で調べて、解決できればそれでOKです。

余談ですが、同様の理由で、最近は論文も紙ではなく、EndNoteで整理してPC上で読むようになりました。

 

 

総括

 

前回の記事で紹介した本が終わったら取り組む本として、ちょうど良かったです。ただし、この本を理解しても、まだ統計学の基礎レベルだと思いますので(私もまだこのレベル)、もう少し発展的な内容に取り組むのが良い印象です。

私も頑張りますので、みなさまも一緒に頑張っていきましょー!!

 

toryzae211.hatenablog.jp

 

 

【日常】そろそろブログ復活するか?

みなさまこんにちは。

長らく更新していませんでした。

 

会社内で組織がバタバタしていたり、COVID-19の影響で在宅勤務があったり、実験が2ヶ月ほど止まっていた影響で全体的に開発が遅延していたり、などで、2020年度は自己研鑽が全く進みませんでした。

ようやく落ち着いてきたので、そろそろブログを復活させようと思います。

 

ブログの目的は以下の3つ。

・文章力の向上

・定期的なアウトプット、外部発信

・頭の整理

1番上の「文章力の向上」は社会人としては切実、かつ苦手な分野なので、頑張りたいところ…。

 

今までは勉強記録や書評をメインにやってきましたが、これだけだと、何か勉強が終わったときに、「書かなきゃ!」、っていうプレッシャーがありました。

些細なことでも書くようにして、心理的な負担を下げるようにしていきたいなぁ、と思った次第です。

 

さて、どれだけ続けられるかな。

 

【勉強記録】Pythonではじめる機械学習 -scikit-learnで学ぶ特徴量エンジニアリングと機械学習の基礎

みなさまこんにちは。
生物学×化学×ITで勉強中のメーカー研究員toryzaeです。


気が付けば2019年度もあと1週間ですね。今年度の初めに立てた目標は無事達成できました。
2020年度始まったらまた新しい目標を立てようと思います。


さて、前回の記事からだいぶ時間が経ってしまいましたが、久々の勉強記録です。

Pythonではじめる機械学習
――scikit-learnで学ぶ特徴量エンジニアリングと機械学習の基礎

www.oreilly.co.jp


前回の記事でも書きましたが、初めに深層学習の本に手を出してしまいました。行列で表現できるんだな、とかなんとなくわかった一方で、深層学習は機械学習の一部分にすぎない、ということも分かりました。
そこで、機械学習の基礎を、pythonの観点から学びたいと思い、こちらの本に取り組みました。


結論から言いますと、原理や数式はあまり理解出来ませんでしたが、scikit-learnで何が出来るのか、何を気をつければよいのか、といった実践的なことを理解できました。

全8章から成りますが、
2章:教師あり学習
3章:教師無し学習と前処理
5章:モデルの評価と改良
辺りがメインとなり、分量もそれなりに割かれています。


機械学習”で何が出来るのか、”機械学習”を行うためには、どういったデータセットを用意して、何をアウトプットに置いて分析したら良いのか、など、実践的な内容が多く、
データセットが手元にあるのなら、すぐにいろいろ試せそうな印象でした。
本書を一通りやることで、自分の専門であるバイオテクノロジー領域で機械学習の活用がなかなか進まない原因もなんとなく分かってきました。
バイオ系ってn数を増やすのが大変なんですよね…。

機械学習の技術を酵素改変に活用したいと思って勉強を始めたのですが、Arnold先生の総説でもありますように、果たして機械学習による酵素改変が最適解なのか、勉強していくうちに疑問になってきました。「機械学習を使わない選択をするのも機械学習エンジニアの仕事」と何かのサイトで見たような気がしますし、自分の技術の1つとして、機械学習領域を今後も勉強していきたいと思います。


とりあえず機械学習の基礎が出来たので、少しずつ実践しながら、勉強を進めていこうと思います。
Kaggleとかにトライしてみるのが良いんですかねぇ…。
もちろん、すべてを理解したわけではないので、本書は辞書として適宜参照していくつもりです。


さて、次からはまた統計学の勉強に戻ります。
Rによるやさしい統計学で、統計学の復習をするつもりです。
少し始めているのですが、Rではなくpythonで実行していくことで、pythonの学習にもなって一石二鳥ですね。

shop.ohmsha.co.jp

【書評】統計学が最強の学問である

みなさまこんにちは。
生物学×化学×ITで勉強中のメーカー研究員toryzaeです。


しばらくブログを更新出来ませんでした。やはり年度末は何かと仕事が忙しくなる時期ですね。残業が続くと疲れが溜まり、なかなか読書が進みませんでした。


最近は、家にいる時間はPythonではじめる機械学習をずっとやっているのですが、少し頭を切り替えようと思い、今日は外のカフェで読書してきました。最近読んでいた本がようやく読み終わったので、書評を書いてみます。


統計学が最強の学問である
西内啓 著
www.diamond.co.jp


米国データサイエンティストのかめさんのブログで、一般教養本として取り上げられていた本です。
人口知能の教養本を2冊読んだため、今度は統計学の教養本を読んでみました。
書評1書評2


統計学自体は学生時代に基礎レベルは学習しており、最近も統計学関連の本を2冊読んだため、全くゼロからのスタート、というわけではありませんでした。


ただ、最初にこちらの本を読むのではなく、少し統計学の本をかじってから読むことで、これまでの総復習を兼ねてスラスラと読むことが出来たため、初学者はいきなりこちらの本を読むより、基礎的な統計学の知識を身に付けてから読んだほうが良いかもしれません。


内容はタイトルにある通り、統計学ってスゲーんだぜ!」ってことを様々な観点から述べられています。私自身は自然科学、特にバイオテクノロジー周辺領域が専門であるため、統計学と直接向き合うことはこれまでありませんでしたが、統計学の知識を身に付けることで、データの取り扱い方や示し方について、いったん考えてから方向性を出すようになりました。


ざっくり内容をまとめると、

☑ ランダムサンプリング最強!
☑ いろいろある回帰分析は、1枚の表でまとめられる!
統計学の6つの分野と、それぞれの特徴

といったことが書かれています。


特に下2つが印象的でした。

☑ いろいろある回帰分析は、1枚の表でまとめられる!

→ t検定やカイ二乗検定など、いろいろな用語を統計学の基礎では学習すると思います。正直ごっちゃになることが多かったのですが、こちらの1枚の表で整理することで、全体の位置づけや使い分け方について、体系的に理解することが出来ました。いずれ機械学習を学ぶ際に統計学の知識が必要になったときには、こちらの表を見返しながら、勉強したいと思います。


統計学の6つの分野と、それぞれの特徴

→ 私自身は農学部出身ということもあり、「生物統計学」、という分野には馴染みがあったのですが、それ以外の統計学の分野として「心理統計学」や「計量経済学」などについて紹介があり、それぞれの分野がどのような考え方に基づいて分析を行っているか、などが体系的にまとめられていました。いわゆる古典的な統計学は生物統計学に当たるのですが、心理統計学なども学習してみたいと思いました(専門レベルではなく、教養レベルとして)。


こうして少しずつ統計学関連の本を読み進めると、データの取り扱い方に注意を払うようになったり、機械学習を勉強する際のアルゴリズムが分かるようになったりと、自然科学系の研究開発者にとっても良いことだらけですね。特にバイオ分野の研究者は数学が苦手な人が多く(私もです)、数式関連は大嫌いという人が多い印象があるので、統計学の知識を持つ人が少ない印象があります。そうした中で、統計的にきっちりデータを示すことで、他の人とは違うぞ、と思わせることが出来そうなので、こちらの分野の勉強は継続していきたいところです。


さて、今年度の残りの時間では、Pythonではじめる機械学習をなんとか終わらせたいところです。
2020年度は引き続き機械学習統計学の勉強を継続する予定ですが、それに加えて英語のwritingに取り組む予定です。

【書評】図解・ベイズ統計「超」入門

みなさまこんにちは。
生物学×化学×ITで勉強中のメーカー研究員toryzaeです。


この3連休は少し体調を崩して寝込んだりしていましたが、
本日辺りから体調も良くなりました。
勉強は継続が大事ですが、休むときは思いっきり休むことも大事ですね。


さて、本日紹介する本はこちら。

図解・ベイズ統計「超」入門
涌井 貞美(著)

www.sbcr.jp


前回と同じく、米国データサイエンスのかめさんのブログで紹介されていた本です。

datawokagaku.com


本書はベイズ統計学を学ぶに辺り、導入として最もわかりやすいとの評判でした。
私自身は前回の書評でも述べた通り、古典的な統計学は学生時代に授業で受けたことがあるため、一般的な平均や分散の考え方については、基礎は押さえています。

一方で、ベイズ統計学は全く触ったことがなく、初見であったため、超基礎からやったほうが良いと考え、こちらの本を購入しました。
結論から述べますと、初めてベイズ統計学を学ぶのであれば、本書はとてもお勧めです。
ベイズ統計学は、ネット上のさまざまな記事を読んだところ、「とっつきにくい」「よく分からない」といった声が多いようです。超入門書の位置づけである本書でも、繰り返し読まないと理解できない箇所がいくつかありました。機械学習の分野ではベイズ統計学は必須のようですので、スピードは遅くても良いから、確実に理解していきたいものです。


本書は大きく分けて4つのパートに分かれています。
以下、それぞれについて部分的に紹介していきます。

1. 基本的な確率論

ベイズ統計学ですが、確率論を全面に出しているところが従来の統計学との大きな差異になります。そのため、基本的な確率論をまず押さえる必要があります。

  • 同時確率と条件付き確率
  • 乗法定理と加法定理

対になる2つの考え方をマスターすれば十分です。理系の方や、大学入試で確率を勉強した方であれば、すんなり理解できると思います。

2. ベイズの定理とは

ここでは、とっつきにくいベイズの定理にのみ焦点を当て、さまざまな言い換えや具体例を用いてベイズの定理を学習します。くどいくらいに説明があるのですが、それくらい無いと、本当に分かりにくかったです。

ちなみにベイズの定理ですが、

Bが起こったときにAの起こる確率
  = (Aが起こったときにBの起こる確率 × Aの起こる確率) / Bの起こる確率

で定義されます。
この文面を読んだだけで理解できる方は、本書を読まなくて良いと思います。笑

私はさっぱりでしたので、具体例を追いながら、ベイズの定理についてじっくり学習しました。モンティ・ホール問題や、難病Xの例題といった具体例で、ベイズの定理の有効性を学習できます。


余談ですが、現在流行している新型コロナウィルスの検査について、ベイズの定理の考え方を理解すると、検査の有効性とは?と思うようになりました。偽陽性偽陰性について、本書を読むといろいろ理解できます。


3. 理解不十分の原則とベイズ更新について

続いては、理解不十分の原則とベイズ更新についてです。
この2つの考え方があることで、データがない現象に確率を当てはめることができる、データの時系列情報を確率に持ち込むことが出来る、といったことが可能になります。
事前知識で、ベイズ統計学機械学習に応用する場合、データ数が少なくても機械学習が可能、ということを知っていました。理解不十分の原則とベイズ更新、特にベイズ更新の考え方が、データ数を少なくできるポイントなのかな、と直感的には感じましたが、それは勉強が進んだときに、改めて振り返りたいと思います。

4. ベイズ統計学とは


最後に、いよいよベイズ統計学についてです。
これまで学習したベイズの定理を、統計学にどのように活かすか、ということを、具体例を交えながら紹介していきます。具体例が非常に簡単なものであったためか、ベイズの定理を利用することでどういうメリットがあるのかを理解しきれませんでしたが、ベイズ統計学の考え方の基礎を押さえることが出来たと思います。

なお、本書の最終頁にベイズ統計学の応用分野として意思決定の理論、人工知能への応用、など、いくつかの具体例が挙げられていましたが、その内容に関する紹介はありませんでした。



本書はベイズ統計学を全く触ったことが無い方にとって、非常に良い入門書になると思います。基礎的な統計学の知識はあったほうが良いので、分散や正規分布って何?って方は、まずは統計学の基礎から始めることをお勧めします。


次は、基礎編でお勧めされたいた本として、以下の二つをやっていく予定です。どちらもPythonで実行しながら、少しずつ進めていきたいです。


古典統計学

shop.ohmsha.co.jp

ベイズ統計学

www.oreilly.co.jp

【書評】「それ、根拠あるの?」と言わせないデータ・統計分析ができる本

みなさまこんにちは。
生物学×化学×ITで勉強中のメーカー研究員toryzaeです。

最近は残業が続いていてなかなか読書が進みませんでしたが、
行き帰りの電車の中で、少しずつ進めていました。
「千里の道も一歩より起こる」、ですね!(言ってみたかっただけ)


さて、本日紹介する本はこちら!
「それ、根拠あるの?」と言わせないデータ・統計分析ができる本
柏木吉基 (著)

www.njg.co.jp


米国データサイエンスのかめさんのブログで紹介されていた本です。
datawokagaku.com


私個人の話で恐縮ですが、データサイエンスの勉強を始めたきっかけは、
自分の専門分野で機械学習、深層学習を行いたい、と考えたことが始まりです。

自分の専門は酵素化学なのですが、近年、酵素の改良技術に機械学習の手法が使われつつあります。
酵素の改良技術では、Frances H. Arnold博士が酵素の指向性進化で2018年にノーベル化学賞を受賞されていますが、
Arnold博士のグループでも、機械学習の手法を取り入れています。
自分もそういった世間の動向に追いつくために、機械学習などについて勉強を始めました。

(参考)
blog.miraikan.jst.go.jp



ネット上の記事を読んで、統計学や数学が大事なのはなんとなく分かっていましたが、
基礎から始めても途中で投げ出してしまうのは目に見えていました。
そのため、プログラミングから初めて、分からなくなったら統計学や数学に戻れば良いや、と考えていました。

初めにPythonを少しかじり、そのあとは機械学習、深層学習関連の書籍を進めているところです。
ただ、最近になって、統計学や数学の知識がどうしても不足していると感じたため、
このタイミングで統計学の勉強を少しずつ始めることにしました。


学生時代に統計学の授業を受けていたため、基礎中の基礎は大丈夫だろうと思い、
かめさんのブログで紹介されていた中で、一番とっつきやすそうなこちらの本を選択しました。


内容は統計学×ビジネスについてで、
上司と新人の二人が会話形式で話を進める → そこで使用した統計手法について紹介、という流れです。
学生時代に統計学を少しでも触ったことがあれば、理解できると思います。
特に、社会人1-2年目辺りの方であれば、ビジネスで数字をどう活かすか、という視点を持てるようになるので、非常に有用な本だと思いました。

序章 データ・統計分析のための発想とコツ

こちらの章では、まず、データを分析するにあたって重要な「考え方」について整理します。
データ分析というと、まず膨大なデータをいろいろな所から搔き集め、データ間の相関を分析したり、グラフ化したり、…といったイメージが多いと思います。
実際、私も最近勉強するまでは、そういうイメージが強かったです。

ビジネスで統計学を活かす際の考え方として、
自分は何を言いたいのか、そのためにはどういう情報(データ)が必要なのか、
という順序が重要である、ということが述べられていました。
先日書評を公開した「機械脳の時代」の書籍でも同様のことが書かれていたため、
この考え方はデータ分析を行うに辺り、非常に重要であると推察されます。
toryzae211.hatenablog.jp


その際、仮説を立ててデータを採取し、分析するサイクルが重要とのことです。
仮説を検証する際、ピラミッドストラクチャを立ててみると、容易に内容を整理することができます。
このピラミッドストラクチャというフレームワーク、本書で初めて知ったのですが、
日常の研究開発業務でも使えそうだと感じたため、取り入れていきたいところです。

第1章 効率的なデータ分析のための集め方と分析の視点

仮説を立てて、目的が定まったら、次はデータを集めることが必要になります。
いざ分析を始めたら、「あのデータも集めておけばよかった!」となることも多いです。
データ収集の際のポイントをいくつか挙げると、

  • 目的の少し外側までデータを集める
  • データの軸を意識してデータを集める
  • データの範囲を意識する

といったあたりがポイントみたいでした。
研究開発をやっていると、比較的当たり前のように意識するポイントのように感じたため、
実験をデザインする時と同様なプロセスを踏めば問題無さそうな印象でした。

第2章 規模と、平均・中央値の話

第2章辺りから、統計学っぽい内容に入っていきます。
この章では平均と中央値を取り扱っています。

平均は普段の業務でもよく使うのですが、中央値はあまり使わないため、
平均と中央値の使い分け方、考え方は勉強になりました。
特に「外れ値」をどう扱うかについては、今後の参考にしたいところです。

第3章 標準偏差ヒストグラム

第3章では標準偏差を取り扱います。
標準偏差が「バラつき」を示すことは多くの方がご存じかと思いますが、
そのバラつきをビジネスの場でどう活かすか、という視点は勉強になりました。
また、表題にあるヒストグラムは、バラつきを視覚的に示すのに有効です。


第4章 データで将来を見通す「相関分析」

第4章では相関分析を取り扱います。
データ同士の関連性(一方が上がれば他方も上がるのか?)を相関係数で示すことがポイントでした。
日常業務でR2値をよく使うため、ここはさらっと。
相関係数は0.7以上、が一つの目安みたいですね。


データの相関はデータを見ただけでは難しく、
エクセルなどでデータから相関係数を算出 → 相関がある or 無いを判断することは危険です。
散布図で一度データを可視化し、数値からは判断できないポイントを見出すことも大切そうです。

第5章 企画の計画性・収益性をつかむ「単回帰分析」

第5章は単回帰分析です。
いわゆるY = Ax + Bの式で、xが〇〇のとき、Yは●●だろう、というやつですね。
これも日常でよく使っているため、さらっと。

  • 無限に直線関係が成り立つことは稀であるため、データ範囲を意識すること
  • 将来の予測に用いる場合、あくまで過去のデータを基にした予測であること

この辺りは、意識しておきたいポイントです。

第6章 メッセージをもって「数字」を伝える

最終章は分析結果をどうやって伝えるか、についてです。
ビッグデータの分析などを行うと、どうしても分析したもの全てを伝えたくなるものですが、
当初の目的に一度返り、目的を達成するには何を伝えれば良いのか、
その際、数字が良いのか、グラフが良いのか、言葉が良いのか、
を意識すると良さそうです。



全体を通して、序章や第1章の内容が印象的で、
残りの章は、統計学の復習、といった印象でした。
しかしながら、最後に統計学を勉強したのが10年ほど前なため、
改めて復習するにはちょうど良い内容、分量でした。

本書はいわゆる古典統計学を取り扱っていました。
こちらの基礎中の基礎は問題ないと思ったため、次はベイズ統計学の基礎中の基礎を固めようと思います!


www.njg.co.jp